沖縄の行事
清明祭
■清明祭は中国から伝来
旧暦の三月、沖縄本島の中南部を中心にして、各地で盛大な墓前祭が行われます。 清明祭(シーミー、ウシーミー)といわれる行事です。
この先祖供養の行事は十八世紀の中頃、中国から伝来したもので、 もともとは二十四節気のうちの清明の節に農事の始まりに当たって祖霊に加護を求めて祭儀を行ったことによりました。
それがだんだん祖先の供養となり、墓前で線香を焚いたり、 花や酒、お菓子、果物、
御三味などを備えるようになって、沖縄にもたらされました。
これははじめ首里の氏族を中心に普及され、次第に地方農村へと伝わっていったといわれます。
■清明祭には神御清明と清明がある
清明祭には大きく分けて二つあります。
・神御清明(カミウシーミー)
・清明(シーミー)
神御清明というのは清明の入り日(今では入り日に近い休日)に元家(ムートゥーヤ)で
料理を作り、 酒肴をもって元家または祖先のお墓(サチヌユーの墓、按司墓、ノロ墓など)など、先祖ゆかりの地を巡拝します。
春の到来を告げる一日、墓前や見晴らしの良い野原、あるいは宗家に親族、
縁者(門中やハラのメンバー)が集まり、 酒、重詰料理を供え、 紙銭を焼いて先祖の供養を営みます。
この清明祭は、祖を同じくする人々の交流の場であり、日ごろ、疎遠な人々が旧交を温める場でもあります。 なお、この清明祭は、宮古諸島全域と八重山の離島では行われていません。
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