沖縄の行事
■浜下り
旧暦3月3日は、沖縄諸島では「サングヮチサンニチー」「ハマウリ(浜下り)」、
宮古では「サニツィ」「シャニツ」、八重山では「サニジ」などと称しています。
重箱にご馳走を詰めて仏壇に供え、海浜や川辺に下りて身の汚れを払い、
健康を祈願するという行事で、中国でも古くから似たような習わしがあったようです。
宮古や八重山では、よもぎ餅を神仏に供え、健康を祈願した後浜下りをします。
この地方でも、潮や白砂に触れることによって身の穢れを払うことが出来るとされ、
宮古では海に行けない病人や老人、子供のために砂や潮を持ち帰るところもありました。
現在、この行事は家族全員のピクニックのような娯楽的な行事になり、
そのため料理も洋風の食品がふんだんに取り入れられたりしています。
◆浜下りの伝説(アカマター伝説)◆
その昔、美しい未婚の娘がいました。
娘はアカマター(蛇)の化けた美青年と恋に落ち、
アカマターの子を身ごもってしまいます。
誰とも分からない人の子を身ごもったことで困った母親は、
男の身元を知るために 男の着物のすそに刺しておくようにいいつけます。
翌朝、母親がその糸を辿って行くと糸は岩下の穴に入っており、
穴の中をのぞくと、二匹のアカマタが話し合っていました。
「私は自分のたねを人間に宿させた」
「人間は利口だ。3月3日に海に行って波を蹴ったら海水に清められて
お腹のお前のたねは すっかりおりてしまうぞ」
この話を聞いた母親はすぐに娘に浜下りをさせ、
お腹の中の蛇の子を出させたということです。
海水に清められて娘はもとの美しい体になったということです。
ちょうどその日が、旧暦の3月3日だったといいます。
また、家に鳥が飛び込んだきたときも浜下りを行います。
特に仏壇に鳥がとまると災いが起こるとして 一家で浜に下り3日3晩過ごしたといいます。
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